金本位制か 2008 11 3
今回の金融危機に際して、欧州の首脳からは、
「第二のブレトンウッズ体制を作る」という話も出ているそうです。
そうならば、また金本位制を検討する必要があるかもしれません。
そういうものがないと、歯止めが効かないのです。
金融市場における「野放図な放任主義」が、どういう結果を招いたのか。
一説には、「金融資産の総額が、世界GDPの4倍を超え、
金融派生商品の総額が、世界GDPの10倍を超えている」とも言われています。
また、ある説によると、
「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が62兆ドル」で、
これでも、気が遠くなる数字なのに、
「金融派生商品の総額は、600兆ドルだ」という。
投機資金を放し飼いにした結果、こんな数字になってしまったのです。
今は昔、1966年に、アラン・グリーンスパン氏は、こう言っています。
「金本位制という制度下でなければ、
インフレーションという名の略奪から、我々の資産を守ることはできない。
我々の財産を守るには金(gold)が欠かせないのである。
このことをしっかり理解していれば、
政治家たちが金本位制に反感を抱いている理由が容易に理解できるだろう」
IM金融 2008 10 26
「ニューズウィーク」には、日本語版がありますが、
日本の週刊誌のようにメジャーな存在になっていないことが残念です。
日本のメディアには書いてない情報があります。
別の視点を持つという意味で、ニューズウィークは購読した方がよい雑誌だと思います。
「ニューズウィーク日本版 2008 10 29」から引用。
一部の金融エリートは、
インターネットを介したインスタント・メッセージ(IM)とデリバティブで、
世界経済に大きな影響を与えるようになった。
多くの規制外の金融取引が、IMを介して行われてきた。
1億ドルのCDSの取引をしたいと思ったら、
ヘッジファンドや銀行のトレーダー数人にメッセージを送り、
条件が折り合うところを探せばいい。
電話での会話も、面倒な書類も必要ない。
このように同業者へのアクセスが簡単になったことで、
金融取引は、書類の記録が残りにくいハイリスクなゲームになった。
IMなどで契約が行われ、
文書の記録が不備なCDSが1兆ドル近く存在するという推計もある。
噂話やテレビゲームをするような感覚で、
デリバティブの取引が行われる傾向が、いつのまにか広まった。
天気の話だろうと、1億ドルのCDSの話だろうと、
同じような気分でメッセージが交わされる。